第一希望の保育園から内定を得る保活とは?

知育

近年、認可保育園の整備が進んだこともあり、待機児童数は少なくなってきましたが、人気の保育園から内定を得ることは簡単ではありません。

保育園の評判、自宅からのアクセスなどを考えると、小学校入学まで5年以上お世話になる保育園です。妥協したくはないですよね。

この記事では、父親と母親がともにフルタイム勤務で、母親が4月から復職するケースを前提とした保護者が第一希望の保育園に当選する方法について、筆者の経験をもとに紹介します。

自治体へ相談してみる

「保育の必要性」の認定を受けるには、各自治体が家庭状況をポイント化した「指数」によって行われます。この「指数」の点数は自治体によって若干変更があるものの、どの自治体も指数の種類は共通して、詳細は各自治体のホームページに掲載されています。

同一指数世帯で優先度を上げるためにやったことは以下のとおりです。

自治体の保育園入園認定係へ相談する

自治体の保育園入園認定係の担当者に相談します。具体的には自治体の担当者へ電話でアポイントをとって、出向いて相談しました。

誤解がないように申し上げますが、自治体へ指数を上げてもらうために懇願したわけではありません。懇願しても指数は上がりません。

まず、自治体の保育園入園認定係に電話して、保育園入園の件で相談したい旨伝えました。私が住んでいる自治体は、地域によって担当者が異なるため、住所も併せて伝えました。

電話した際、伝えたことは以下のとおりです。

  • 来年4月に子供を認可保育園へ入園させたいと考えていること
  • 自分の世帯が希望する認可保育園から内定を得られるか知りたいこと

区役所の担当者からは、1週間後の火曜日、水曜日の午前で日程を提示してくれたため、一番早い火曜日の午前にアポイントを取り、その日は会社を午前半休にして、区役所に向かいました。

担当者に会ったとき、思った以上に若い女性だったのに驚きました。そして名刺まで渡してくださいました。プライベートで役所に相談にいって、名刺を渡されたのは初めてだったので少し驚きました。

担当者から子供の月齢、私達夫婦の勤務状況、どのような保育を希望しているか、入園したい保育園は予め決めているかを聞かれました。

その上で、担当者によると私達の指数は「42点」で、第一希望の保育園の昨年の内定指数も「42点」でした。

「第一希望の保育園へは入園可能ですか」と聞くと、「あくまでも過去の内定指数であるので、必ずしも入園可能とは言えない、そして、同一指数であっても優先順位があり入園できない場合がある」ことを教えてくれました。

同一指数であっても優先順位があり入園できない場合について、さらに突っ込んで話を聞きました。

内定指数一覧表で、希望する保育園の内定指数を確認する

担当者は昨年の認可保育園・こども園の入園内定指数一覧を見せてくれました。

多くの自治体では入園内定指数一覧表はホームページに公開しているものの、同じ指数でも、同一指数優先順位により内定が出なかった場合もあり、その詳細まで新宿区のホームページ 認可保育園・認証保育所等の空き状況・申込み状況には記載されておりません。

  出展元:新宿区ホームページ 新宿区認可保育園・こども園等 「令和5年4月入園内定指数一覧」の一部を抜粋

担当者が内定指数表について以下のとおり補足説明してくれました。

  • 申込状況は年毎に異なるので参考値であること
  • ここ数年、0歳児クラスより1歳児クラスの申し込みが増えていること(これは育休期間を伸ばしても、復職しやすくなったためと個人的には考えます。)
  • 1歳児クラスは「中落合第二保育園」以外は全て定員以上の応募があったこと(なぜかは分からないそうです)
  • 内定指数42点の保育園に複数申込した場合、第一希望が優先されるわけではなく、「同一指数時の優先事項」により優劣が決定すること
  • 同一指数時の優先事項の優劣結果について、「きょうだい在園」の適用が多いということ
  • 指数42点は、父母共にフルタイム勤務で、母親が4月に復職するケースが最も多いケースであること

つまり、指数42点であっても必ずしも内定42点の保育園に入園できるわけではない理由がここで明確となりました。

同一指数時の優先順位事項を上げるには

そして、区役所のホームページからダウンロードした認可保育園申込の手引き内にある同一指数優先順位を見ながら、どのようなケースで優先順位が適用されるか聞きました。

出典元:認可保育園申込の手引き から抜粋した同一指数時の優先順位

優先順位として適用されるケースが多いのは以下ケースとのこと。

  • ①新宿区民であり、②今回が対象児童の新規申込で、④希望する保育園に兄姉が在園していること
  • ①新宿区民であり、②今回が対象児童の新規申込で、⑧認可外保育所で保育していること
  • ①新宿区民であり、②今回が対象児童の新規申込で、⑩待機期間が長いこと

ここまでの相談で、私達の家庭は上記のうち、①,②には当てはまるものの、④、⑧、⑩のいずれにも当てはまらないため、指数42点が内定指数となった場合、同一指数の優先順位で不利になることも明確となりました。

優先度を上げられるか否か

同一指数時の優先順位をよく読むと、7位目の優先事項に「基本指数の類似項目:(2)就労」は、具体的にどのようなケースか聞いてみました。

というのも、仕事柄、職場に必ず配置が必要な資格者(例:産業医、衛生管理者など)がいることをしっていたためです。

担当者いわく、産業医、衛生管理者など職場に必ず配置が必要な資格であっても、[7位目の優先事項に「基本指数の類似項目:(2)就労」]として認められるわけではない。とのこと。

「全く認められないのでしょうか?」と食い下がると、「わからない、しかし、どうしても配置が必要な資格者であり、そのエビデンスがあれば検討されるかもしれない。」

このコメントを得て、7番目の優先事項の適用を受ける可能性はあるかもと思い、資格取得に取り掛かることにしました。

事業運営上必要な資格者とは

法人事業者は事業内容や事業規模により、国家資格を有する職員を配置しておく必要があります。

中でも産業医は衛生管理者はどの業種でも必要な人材です。産業医は外部医師に業務委託できるものの、衛生管理者は所属する職員から選任しなくてはなりません。

衛生管理者になるには、衛生管理者免許試験に合格する必要があります。合格率は約50~60%。試験は毎月複数回開催されており、何度でも受験可能です。

事業所は従業員数に応じて1名〜6名以上の衛生管理者の選任が必要ですので、職場に衛生管理者として登録可能か相談してみましょう。

「増員」という形で登録することは、衛生管理者の欠員を防止するというメリットがあるため、登録を認めてくれる可能性があります。

しかし、会社から衛生管理者試験の受験を認められない方もいるかもしれません。

私もそのひとりでした。理由は既に衛生管理者の資格者が10名いること、ならびに勤務先では衛生管理者試験の費用は会社が負担するという規程があるためです。

どのように受験を認めてもらったか

会社(ここでは人事部長)に計3回交渉しました。1回あたり約30分程度で、部長とのやり取りは以下のとおりです。

  • 人事部長:当社は衛生管理士が6名必要であり、それ以外にも4名の有資格者がおり、今のところ、増員は不要であること
  • 私:人員は足りているいるものの、会社の有資格者のほとんどは衛生管理者試験合格後10年以上経過していること
  • 人事部長:当社は労働局から何ら衛生管理上も問題点を指摘されたことはないため、コストと時間がかかることはやりたくない
  • 私:資格維持に研修は不要ゆえ、衛生管理に関する知識をブラッシュアップする必要があること、特に最近、働き方改革が進み、職場の衛生管理は注目されていること、ゆえに、最も新しい知識をもった新規衛生管理者試験合格者を衛生管理者に選任して、職場の衛生管理をより良いものにすること

約3日間の交渉ののち、管理衛生者の業務が増えても他の業務量を減らさないという条件付きで承諾を得ました。もし、上記主張でダメだったら、試験代(当時6,800円、2023年6月1日以降の試験から8,800円に変更)は自己負担することも考えました。 

承諾を得てから1か月後の試験日を受験申込し、第一種衛生管理者衛生管理者の問題集(ユーキャンの第1種衛生管理者 重要過去問&予想模試、ユーキャン衛生管理多試験研究会 著)で、毎日2~3時間は勉強して、重要過去問を3周して、アウトプット中心の勉強に徹し、試験に合格することができました。

試験申込から試験、合格証発行、労基署への申請まで、勉強時間も考慮すると、最低でも1カ月はかかります。

会社による衛生管理者の選任も考えると最低でも2カ月前までには会社への交渉を始めるといいですね。

なお、第一種衛生管理者の試験合格後、選任者追加の手続きは、労働局や労基署との窓口となる人事部門が実施してくれました。

その後、人事部門から労働局の受付印が押印された「衛生管理者選任報告書」のコピーを入手しました。自分が衛生管理者に選任されたエビデンスとして区役所へ提出するためです。

区役所への入園申込書を提出

区役所へ入園申込書類を提出する際、郵送、自治体へ持込、オンライン申請があります。

最近はマイナンバーカードでオンライン申請が増えてきました。

マイナンバーカードを保有していればオンライン申請もありですが、保育の必要性が高いと認められる書類がある場合は、区役所の職員に相談して指示を仰ぐとよいです。

実際、我が家はオンライン申請するつもりでしたが、同一指数の優先順位を証明する書類として、衛生管理者選任報告書と衛生管理者合格証のコピーを提出するため、郵送で提出して欲しいと言われたため、それに従いました。

第一希望の保育園から内定の電話をもらったのは、翌年2月の寒い日でした。

結局、衛生管理者として選任されたことが合否を決める材料になったかは分からないままでしたが、何もしないで落選になるよりマシだと思います。

まとめ

第一希望の保育園から内定をもらうためには、役所の担当職員へ直に相談して、最新の情報を入手することが重要です。そこでは、役所のホームページには掲載されていない情報を入手できる可能性があるためです。

同一指数の場合、同一指数の優先順位を決める項目を確認し、第一希望の保育園に入園する可能性を上げるには、優先順位の項目で適用を受けた方がいいのか、担当職員へ問い合わせるのです。

優先順位を上げる方法があり、ご自身で対応可能なものがあれば是非取り組んでみてください。

私は衛生管理者選任者として登録することで、優先度を上げる方法に取り組みましたが、自治体によってはこのように時間と労力を掛けないでも優先度を上げられる方法があるかもしれません。

その方法は役所の担当職員からヒントを貰う以外方法はありません。

保育園入園申込締切の2か月前に自治体に相談しておくのが理想ですが、それ以降でも相談しないよりは相談したほうが良いと思います。

第一希望の保育園から内定をとって、育児がスムーズにいくことを祈っています。

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