内藤町は新宿御苑と外苑西通りに挟まれた住宅街で、都心の騒がしさを忘れさせてくれる穏やかなエリアです。
JR千駄ヶ谷駅から新宿御苑大木戸門までは、閑静な住宅街で玉川上水の跡地や、江戸時代に建立された多武峰(とうのみね)内藤神社があり、そこを住まいにしている人懐こいネコがいて、参拝客を癒してくれます。
多武峰内藤神社は100年以上前に建立した神社といわれおり、新宿に来た時は立ち寄っていただきたい神社のひとつです。
この記事では多武峰内藤神社までのアクセス、神社の様子、および現在の玉川分水分水について紹介いたします。
多武峰内藤神社へのアクセス
多武峰内藤神社へのアクセスは、JR千駄ヶ谷駅から徒歩10分程度です。
新宿区内藤町の住宅街にひっそり佇んでます。
JR千駄ヶ谷駅から
千駄ヶ谷駅の改札口は1カ所です。改札口を出て左側にNew Daysがあります。途中、飲み物を調達するところがありません。歩くと喉が渇くので、New Daysで購入するとよいでしょう。
千駄ヶ谷駅の改札口を出て左側へJR総武線、中央線快速の線路沿いの道を歩き、JR線の橋梁がかかる下を通り外苑西通りに出ます。
外苑西通りに出て、新宿御苑沿いを歩くと新宿御苑正門がありる。ここは多武峰内藤神社へ行く途中の見どころ。
普段、正門は締まっており、皇族や政治家などが新宿御苑を訪れるときのみ開門します。
新宿御苑にある三つの一般門(新宿門、大木戸門、千駄ヶ谷門)に比べ、ひときわ大きく立派な門構えです。
内閣府主催の桜を見る会ではこの門が開門され、皇族、官僚などVIP招待客専用の出入口となりました。普段は誰もいない正門に警察官が警備する物々しい雰囲気のなか、黒塗りの自動車、大型バスが通りました。
本記事執筆時点(2023年10月)では、2019年4月に開催されたのが最後です。また開催される日がくるのでしょうか。
正門が開くの催しがあれば、また正門を見に行きたいと思っています。
多武峰内藤神社へお参り
多武峰内藤神社は外苑西通り(都道418号線)から1本西側に入った通り沿いにあります。
大京町北の交差点を左に曲がり、20mほど直進すると内藤町児童遊園のとなりに多武峰内藤神社が鎮座してます。
外苑西通りには多武峰内藤神社の案内看板が無いためわかりづらく、目印としては内藤町児童公園に向けて歩くのがわかりやすいと思います。
江戸時代初期に徳川譜代大京の内藤家初代藩主、内藤清成が屋敷内に祖先の藤原鎌足公を祀り、建てられた神社といわれています。
社殿のそばには内藤清成の愛馬を祭る駿馬塚(しゅんめづか)があります。その馬は徳川家康から「馬でひと息に回れるだけの土地を与える」と仰せつかったことで、内藤家がこの地に土地を得たエピソードとして知られています。
多武峰内藤神社は人通りの少ない道沿いにひっそりと建っており、かつて内藤家の土地であったことが実感できる貴重な場所です。
内藤町児童遊園を訪れたとき、児童遊園のとなりに神社があることを初めて気が付きました。内藤町児童遊園の案内看板は立っているのに、隣接する多武峰内藤神社の案内看板がありません。
児童遊園よりはるか前に建てられた神社の案内看板が無いのは、知っている方のみお迎えするという考えなのか、と個人的に考えています。
椅子など休憩する場所がないため、長時間境内で居座る方がいないのが良いところだと思います。
神社の主はネコ?
多武峰神社には近隣に住むネコがいて、天気がよいときキジトラ毛並みのネコに会うことができます。
地元の方から「おはよう」、「こんにちは」とあいさつされるくらい、ネコは可愛がられています。
ネコの機嫌がよければ、それに小さく「ニャ」と答えてくれるしぐさはとてもかわいいのです。
ネコの名前と性別はわかりませんが、人慣れしたネコでよほど機嫌が悪くない限り、人が近づいても逃げたりしません。
ただし、子供と一緒に児童遊園と神社へ来たとき、子供がネコを見つけ、私が静止するのを振り切って、「にゃんにゃんだ~!!」と大声で近づいていったときは、案の定ネコに逃げられました。ネコちゃん、ごめんなさい。
なお、一度エサをあげようとしたところ、神社社務所の方に「地元の方が御飯を与えてるので、エサはあげないで欲しい」と注意されました。
人懐こいネコですので、ついエサを与えたくなる人が結構いるそうです。私もそのひとりでした。
ネコが寛いでいるのは、人から愛されているからだと思います。
避けたほうが良い日、時間帯
ネコに会いたいときは雨の日は避けた方が良いと思います。また、ネコは午前中に境内にいることが多いため、ネコに会いたい場合は、天気の良い午前に行くとよいでしょう。
多武峰内藤神社から新宿御苑への道
多武峰内藤神社まで来て、時間があれば新宿御苑散策路を歩くため、新宿御苑大木戸門まで足を伸ばすのもいいと思います。
多武峰内藤神社事務所前の道路は、ワンちゃんを散歩している方、郵便局や宅急便の配達員の方、たまにランニングしている方がいる程度で、人通りはほとんどありません。
内藤家の屋敷時代から残っている樹齢の高い木が残っているところを見ると、ここも内藤家の屋敷だったことを思わせるエリアです。
大きな木々を眺めながら歩くのも気持ちよいと思います。
玉川上水分水の暗渠(あんきょ)跡
多武峰内藤神社を含む内藤町住宅街と、新宿御苑の間は玉川上水の分水が流れていましたが、大正時代に石畳で固められ、現在は草木が生い茂る暗渠となっています。
地下に下水道が通っており、新宿御苑の東側と、内藤町の住宅の間には幅約3メートルほどの暗渠が南北に500メートルほど、当時の面影を残したままとなっています。
上の画像は新宿御苑管理道路前から撮影した玉川上水の暗渠跡の土地です。左側が内藤町の住宅地、右側が新宿御苑です。執筆時点では、下水道工事をしていました。
暗渠跡は国が管理する土地ゆえ、立ち入ることはできません。
上の画像は外苑西通りから撮影した分水暗渠跡です。
ここは下水道工事はしていないため、草木が生い茂っています。左手には大京町交番があり、右手は内藤町の住宅地です。
いつか暗渠跡を歩くツアーが開かれたら、歩いてみたいと思います。
新宿御苑管理用道路へ続く
内藤町の住宅街を出ると、甲州街道の新宿御苑トンネル出入り口前に出ます。
その左手に新宿御苑大木戸門と内藤町を結ぶ、新宿御苑管理用道路があり、そのまま新宿御苑大木戸門へ出ることができます。
新宿御苑管理用道路は、新宿御苑が開園している時間帯のみ利用できます。
まとめ
内藤町は多武峰内藤神社や玉川上水分水暗渠跡など、江戸時代から変わらない場所が残っており、外苑西通りの路地はには、内藤家下屋敷跡の神社、樹齢100年以上の樹木が目に入ってきて、時代と場所が変わったように感じます。
その中心にある多武峰内藤神社の人慣れしたネコは、猫好きの人にとっては隠れたスポットと言えます。
多武峰内藤神社から北二向かって、新宿御苑散策路へ足を伸ばすのもアリです。信号機で止まることのない新宿御苑外周ランニングコースとしても適しています。
なお、新宿御苑散策路の見どころについて以下記事で紹介しています。