私立小学校受験塾、伸芽会と理英会の授業を比較

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私立小学校に入学するためには、どのような塾を選ぶべきでしょうか。私立小学校受験の塾として有名なのは伸芽会と理英会です。

このふたつの塾はどのような特徴があり、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

我が家は子供を私立小学校へさせたいと考えていました。

その理由は妻自身が私立小学校を卒業し、私立小学校の良さを良く知っていること。そして、公立小学校の多くは柔軟なカリキュラムを組むことが困難と多くの先輩ママさんから聞いたためです。

伸芽会と理英会の両方に通った経験をもとに、二つの塾を比較してみたいと思います。

伸芽会と理英会の特徴

伸芽会と理英会は、それぞれに特徴があります。伸芽会は、個別指導やオンライン授業など、柔軟なカリキュラムが特徴で、理英会は集団授業や模擬試験など、厳しいカリキュラムが特徴です。

伸芽会のメリット

伸芽会は私立小学校入学試験合格に特化された塾で、幼稚園から小学校までの一貫教育を行っています。

伸芽会の教育方針は「自分で考える力」を育てることです。

そのため、授業では、生徒に問題を与えて自分で答えを導き出させる方法をとっています。

また、生徒同士のコミュニケーションや発表力も重視しています。主なメリットは以下のとおりです。

  • 自分で考える力が身につく
  • その相乗効果として、学習する意欲が高まる
  • 個性や能力に合わせた指導を受けることができる
  • 小学校受験塾の老舗として、膨大な受験データがあること

実際に伸芽会の教室を見学したとき、ちょうど年少クラスの授業を行っており、教室の後ろから授業が見学することができました。見学者は私ひとりでした。

教室の広さは50畳位。生徒用のデスクは12席あり、8席に生徒が座って授業を受けています。フロアも教室も清潔で明るい印象を受けました。

8名の生徒に対して先生が4名ついていた点が驚きました。また、生徒は受験時の服装で受けます。女子はワンピース、男子はポロシャツに短パン、カラーはワンピースと短パンはブラック、ポロシャツと靴下はホワイトで統一されていました。

可能な限り入学試験の本番に近い環境を再現し、実力が発揮でできるよう工夫をしております。

教える先生が3名いて、1名は主に授業を進める先生、2名が生徒に問いかけて一緒に考えたり、生徒から答えを引き出したりします。

教室には生徒用の机とデスク、先生が使うホワイトボードは正面だけではなく、横と後ろにもありました。

生徒は自分の持ち物をデスクの下に置いて、授業で使うもの(教材、色鉛筆)をデスクの右上に置いておりました。

授業では自分がひとりで地下鉄を利用して自宅から教室まで移動することを想定して、何に気を付けて駅を利用して、鉄道に乗ればいいのか。どうやって切符を買うか、わからないときは誰に聞くのか。先生が生徒ひとりひとりに訊いています。

生徒がわからなくても「駅には何があるかな~」と尋ねて、できるだけ自分の力で答えを出せるように導こうとしている点が印象的です。

私が見学した限り、生徒を叱ったり、生徒の答えを否定するようなことはありませんでした。

残り1名の先生は、教室の横で全ての生徒の授業態度を、こまめにチェックして、文書に記録しています。私は教室の横へ移動し、その先生の許可をもらって、何をチェックしているか、チェックシートを横から見せてもらいました。(そのシートはもらうことはできませんでしたが)

主な確認項目は10項目以上あり、授業に対する意欲、発言する頻度、友達との交わり等、事細かに記載されていることに驚きました。

途中でトイレに行きたくなった女の子と男の子がおり、女の子は先生に一言断りを入れてから退室してトイレへ行ったのに対して、男の子は我慢できなかったのか、何も言わずにトイレに行ってしまったのも印象的でした。

記録係の先生の後ろで、二人の生徒がどうやってトイレに行ったのかまでチェックシートにメモされておりました。

なお、記録員の先生が4名の先生の中で最も忙しそうでした。

先生は全員女性、記録員の先生が年配で、残り3人の先生は30歳代位です。

記録された内容は、塾と親との二者面談で、良かった点、改善したほうが良い点、さらに今後目指すべき勉強方法などを詳しいフィードバックを受けることができます。

先生や他の生徒が発言しているときは静かに聞いていられるか、友達を遮ってしゃべったりしないか、授業に集中していられるか、先生の指示を理解して正しく行動できるか、等のフィードバックを受けて、家庭でも、指摘されたことを意識して子供に接するようアドバイスを受けます。

見学を希望される場合は、通う予定の伸芽会教室へ電話し「子供の入園を検討している」旨伝えると、資料を送付してくれます。

見学を希望すれば、伸芽会担当者から見学可能な日時を複数提示されるので、そこで日時を決めて授業を見学できます。

理英会のメリット

理英会は、集団授業や模擬試験を数多く行い、学力(認知能力)の向上に主眼を置いています。主なメリットとしては以下のとおりです。

理英会の教育方針は「考えることが楽しい」と子供自身が思えるよう意欲を育むことです。

  • 基礎学力の定着が期待できる
  • 志望校に合わせたカリキュラムで効率的に学習できる
  • 算数、国語の各科目ごとに個別指導を受けることができる
  • 応用力や判断力を高めることで、難易度の高い問題を解くことができる

理英会の授業を見学した際、生徒5名に対して先生が3名ついており、伸芽会より理英会の方が生徒1名あたりの先生が多く、より個別指導を重視している点が印象的でした。

先生のうち1名が授業を進めながら、残り2名の先生は質問をしてこない生徒に対して声を掛けて質問しながら各生徒の理解度を確認しながら進めていました。

理解度の遅い子をフォローする傾向が強いなと個人的には思いました。

というのも、先生が指示した問題がすぐに解けたり、しっかり授業を聞いてられる子は、そのまま問題を解かせて、授業に付いていけていない子のフォローに力を注いでいる光景を見たからです。

なお、理英会の授業では服装は自由、授業中の態度をチェックする専属の先生はいませんでした。

その点、伸芽会で感じたような「ザ・お受験!」という緊張感は漂ってきませんでした。

また、授業時間も80分で、伸芽会よりも短いため集中力が長時間続かない子供にとっては、理英会のほうがよいかもしれません。

伸芽会の授業はまさに先生と生徒の言葉のキャッチボールをしながら授業を進めていくのに対して、理英会の授業は先生が生徒に教えるという感じです。

コミュニケーションは先生から生徒へ一方通行ではないですが、話す比率は先生9割に対して生徒1割という感じです。

先生は全員女性。3名とも20-30歳代と伸芽会に比べると先生の年齢層は若いように感じました。

保護者へのフィードバックは先生と保護者の2者面談にて行われ、子供の得意なこと、苦手なこと、そしてこれからどのように学習を進めていくかフィードバックを受けることができます。

個人的には理英会は高校受験や大学受験の予備校に近い教育をしている印象を受けました。

伸芽会のデメリット

伸芽会のデメリットは何より授業料が高額であること。

入会金は80,000円、年少の小学校受験コースは月3回(授業時間120分)で月40,000円かかります。兄弟姉妹で上の子が伸芽会の会員か卒業生の場合は入学金が免除されます。

個人的な見解ですが、授業時間が120分と長いため、子供に自主性が無いと学習意欲が低くなる可能性があります。

理英会のデメリット

理英会のデメリットはカリキュラムが固定された集団教育が中心であるため、宿題が多く出されます。子供にストレスがかからないように、親が一緒に宿題をやる等ケアが必要と考えます。

授業料は伸芽会ほど高額ではないものの、決して安い金額ではありません。

入会金は27,500円、年少の授業料は月3回(授業時間80分)で月15,000円かかります。

1時間当たりの授業料は以下のとおりです。

伸芽会約6,700円
理英会約3,800円
2023年度の授業料を60分で割ったおおよその金額

伸芽会の授業料は理英会よりも約1.8倍も高いことがわかります。

保護者の授業付添は無し

両教室はともに親が送り迎えをするものの、授業まで子供に付き添うことはありません。

親は公共交通機関かチャイルドシート付の自転車で通っています。どちらの教室も駅から徒歩1分以内のところにあります。

まとめ

伸芽会は小学校受験塾の老舗で、先生やスタッフの手厚さ、教材の豊富さ、柔軟性が優れていると感じましたが、コストが大変高額です。

理英会は伸芽会よりも授業料はリーズナブルで、勉強する習慣を身につけさせてくれるところが魅力です。

いずれの塾でも、両親は受験の当事者として、子供と一緒に学習するという姿勢を持ち、子供を支え続けることが重要となります。

どちらの塾に通わせるか迷っているときは、お試しとして授業を複数回受講できますので、お試し授業を経験してから、子供が気に入った授業があるほうに決めるのが良いと思います。

両塾とも夏休み期間に1回、無料で試し授業を受けることができました。

子供は伸芽会の授業時に、自宅が近いことや、好きなアニメ(ミッキーマウス、パウパトロール)が同じだった生徒と仲良くなったことがきっかけとなり、学年がかわる10月から伸芽会に通塾することになりました。

このほか、伸芽会は私立小学校合格をゴールという教育を強いていないように感じた点も伸芽会に決めた理由にもなりました。

伸芽会、理英会ともに私立小学校合格を目標にしておりますが、伸芽会は子供の個性などを考えて、子供にあった私立小学校がなければ、あえて受験を勧めず、公立小学校に入学された生徒がいたという点は、塾の実績を最優先せず、子供のことをよく考えてくれるな、と思いました。

また、塾で学んだことは小学校に入ってから活き、学習面で大きなアドバンテージになります。

この先、私立中学校を受験する場合、塾で身に着けた学習習慣は武器となると、両塾の先生はコメントされていたのが印象的でした。

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