育児との両立に対する企業のホンネ、現役会社員が実経験をもとに語る

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育児と仕事の両立に向けた法整備が進んできたことは、共働きの親にとってはありがたいことだと思う。

一方で、それを快く思わない経営者や上司がいることも事実。

多くの職場では育児休暇で長期間職場から離れることを望んではいない、という企業のホンネをエピソードを交えて紹介します。

両立に対する理想と現実

産後パパ育休が導入された2022年10月以前から、前職の勤務先は男性育休取得率が50%を超えており、2024年4月時点も50%超で推移している。

男性育休取得率だけをみれば、育児する父親に協力的な会社だ。

実態は配属先に大きく左右される

しかし、実態は「育児をするパパに優しい」会社とは言えないと考える。

なぜか?

1か月以上育休を取得する男性従業員は、大半が低評価を受けるためである。

皆、そのことを知っているため、育休を取得しないか、取得しても1週間程度にとどめる、という方がほとんどだ。

育休取得の代償

筆者の子供が生まれたとき、前職勤務先の男性育休取得率は厚労省が調査した「男性の育児休業取得率」とほぼ同じ約5%であった。

出典元:厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」 出展元URL https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r04.html

制度上育児休暇は取得可能だったが、育休を取得するのは稀だった。

数カ月という長期間になるともっと稀で、シングルファーザーなど事情がある方に限られた。

そんな事情があっても、育休を取得すれば、仕事の第一線からは外され、希望しない異動を飲まざるをえなかった。

筆者が育休を取得しようとしたとき、上司からは「仕事はどうする」、「奥さんの協力を仰げないのか」という非難めいた返事が帰ってきたことを覚えている。

当時、筆者はその言葉に反論することはできなかった。

どんなに可視化した業務引継書を作成しても、クライアントとの関係が一時的に絶たれる。

後任者に負荷をかけることは間違いないのだから。

そのため、査定が低くなることを覚悟しないと長期育休取得はままならないのが現実だった。

両立する術はあるか?

このような職場において育児と仕事を両立する方法を考えてみると、何かしらを犠牲にしないと成立しないことがわかってくる。

会社の制度を利用する

フレックスタイム制度や在宅勤務制度は確かにありがたい制度であるが、育児をする社員にとって、制度だけでは両立は成り立たない。

筆者の子供は生まれつき身体が弱いため、良く熱を出して保育園から呼び出しを受けることが多かった。

妻よりも筆者のほうが、保育園に近いことから、筆者が迎えにいくほうが多くなる。

上司からは「子供を迎えに行ったあと在宅で業務をするように」と言われたが、必ずしも子供が寝てくれるわけではない。

起きている間は子供から目を離すことができないため、在宅勤務どころではない。

そのことを上司に説明しても、妻が専業主婦の上司は理解が難しいようだった。

転職する

職場で低い評価に甘んじることが出来ない社員の多くは転職していった。

伝統的な日本の会社員の多くはそう簡単にできないし、転職先も育児に協力的か入社しないとわからないことが多い。

虎視眈々と準備する

一番多いのが非協力的な上司のもと、低評価に甘んじて仕事を継続することである。

しかし、その一方で理解ある転職先を探すため虎視眈々と準備していた。

実際、筆者もそのひとりで完全在宅勤務で育児に理解のある会社に転職した

今の職場が大好きだ、と思っている方を除けば、仕事と育児の両立に苦心している方は転職準備をしていると思うのは筆者だけだろうか。

まとめ

産後パパ育休導入後、男性育児休暇取得率は上がっているものの、満足のいく日数を取得できていないのが現状である。

それを阻む理由は、経営陣や上司による「育児は母親がするもの」というアンコンシャスバイアスが大きい。

「男性育休」という言葉がなくなる時代になったら、パパも気兼ねなく長期間の育休を取得できるようになるかもしれないが、それにはまだ時間がかかるだろう。

それまでの間は、使える制度を最大限利用して乗り切るしかないと考える。

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